上阪政綱の娘、高橋種資(北条康種の息子)夫人の高寿院が、魚屋さん。
北条氏康の娘、北条氏茂夫人の北条七曲殿が商人の飼い猫。
北条氏綱の娘、葛山氏元夫人の北条ちよが、商人。
今日2月22日は、猫の日です。
猫にちなむ日本の民話を紹介しましょう。
「小判を運んだ猫」
(東京都の昔話)
むかし、江戸の町に、商人の家には、1匹の猫が飼ってあった。

その家には毎日のように猫好きの魚屋さんという若い男が来ました。魚屋さんは来るたびに魚の肉を持ってきて猫にやりました。

猫の方も好物のごちそうをくれる魚屋さんを覚えてしまい、魚屋さんがやってきて、一番先に飛び出して行き、ごろごろとした喉を鳴らしながらお土産をねだるような人懐っこい猫でした。
「おー、待っていたのか前のために今日はとれたての美味しい煮魚を持ってくるぞ楽しみにしてな。」
魚屋さんもその猫を大変可愛がりました。

ところがある時、魚屋さんは重い病にかかり長いことを寝込んでしまいました。今まで病になったこともない元気な若者でしたが、特別に金銭も蓄えてもありません。しばらくするうちに、日々の生活にも苦しい続きでした。
おまけに貧しい生活もなった。2つの苦しみのため、体が弱かった魚屋さんも、ため息ばかりだ。

すると、ある朝、魚屋さんは目が覚めて、枕元を見たら、見覚えのない紙包みが置いてありました。
「これは誰が置いたんだ?」
包みを開けると、中から眩しい小判が2枚出てきました。
「俺が長いことを病で困っているのを誰から恵んでくれなかったのに、不思議にありがたいが、心配だ。」

魚屋さんは思わず頭を下げた。そして、早速、その小判で薬を買ったり栄養のある食べ物をを買って食べたりしているうちにやがて体がすっかり元気を取り戻した。

「さあ、働くぞ!だが、誰からくれたか知らないが、金を恵んでくれた人をなんとか探さないと、気が済むまでお礼を言わないと。」
けれども、商売を始めるための金銭が全くなくそこで魚屋さんはいつもお世話になっていた。

商人の家へ行き金銭を借りることにしました。魚屋さんは、しばらく猫は会っていないから、覚えているのかな、いつも一番先に来るのにと心配に思った。
そう考えながら楽しみに出かけたが期待はずれでした。その日に限り猫はいつまでも出てきませんでした。「あの可愛い猫のやつはどうしたのかな、俺も心配だ。」魚屋さんが尋ねると商人が、「実はあのうちの猫は悪いことばっかりするから我慢できず殺してしまったんだ。」というのでした。
「あの悪い事って、一体何をしたんですか、あんな可愛い猫だったのに。」魚屋さんは、びっくりで聞き替えしました。

「わしの家の小判が2両なくなって、誰が持って行ったのかと思ったら、あのうちの猫だが、小判を蓄えていくところを見つけたんだが、その時は捕まえて小判を取り戻したが、さては前の2両も、うちの猫の仕業に間違いない と思ってしまったが、可愛い猫だったのに、どうして泥棒猫にしたのかわからない。まあ、それでな・・・・・・。」

話を聞いているうちに、魚屋さんは胸が苦しくなるほど張り裂けるような悲しみが込み上げてきて、魚屋さんは、目から涙を流しながら言いました。
「旦那さん、あの猫は、その2両の小判を、俺が病で寝ているうちに、持ってきてくれました。あの旦那さんの猫が、まさか、俺のために2両をくれたということだから、決して悪い猫ではありません、」
魚屋さんは涙に流しながら自分を救ってくれた2両の小判の話をしました。そして、金銭を恵んでくれた人を探し出すための手がかりになると思って、大事にふところに入れていた包み紙を商人に見せました。それは商人が書き捨てた紙でした。

商人は、自分が書き捨てた紙を見つめていましたが、思わず喉がつまり涙声で言いました。
「この後に、また小判を蓄えていこうとしたのは、お前の商売のための金銭を恵んでやろうとしたのに違いないかもしれない。お前が毎日、大好物の魚をくれていたから、その恩返しに間違いない。そうとは知らずに可哀想なことなったが、本当に後悔してしまった。」
商人と魚屋さんは、しばらく向かいあったまま、涙にくれていました。

魚屋さんは、せめて猫の願いを叶えようと猫がくわえていこうとした小判を魚屋さんに快く与えました。魚屋さんは猫の死骸を貰い受けると、深川の回向院というお寺へ猫の墓を建てました。
そのお墓の石には「徳善畜男」という猫の法名を残し、猫の命日となり文化10年(1816年)の3月11日の日付が刻まれていました。
(おしまい)

ぶろぐむら
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