上井殿、伊地知重康の娘

上井薰兼の娘、吉利忠澄夫人の上井殿が旅男。
相良長泰夫人の伊地知重康の娘が小さな白い蛇。

「とんでもない恩返し」

(山形県の昔話)

むかしむかし、とても寒い日に山道の霜がジャキジャキしておった。

「寒い〜このまま雪が降るかもなー。」

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旅男が白い息を吐き、山道を急ぎ、藪の枯れ葉で、小さい蛇が凍え苦しんでいました。

「可哀想な蛇は、穴籠りが遅れてしまったんだな、助けてやろか。」

と思ったら、相手が蛇だから、うっかり手は出せない。

7A36B74F-FD35-45CC-88EF-8E39CBE13322.jpeg「蛇っこよ、オラが助けてやるから、悪いことなどするなよ。」

と言うてみると、蛇は、

「はい、悪いことは絶対しませんので、どうか助けてください。」と言うた。

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旅男は親切に蛇をふところに入れて温めてやった。

ふところは、だんだん暖かくなり、弱った蛇も元気に回復した。

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ふところから、チョロチョロ首を出し始めた。男はそれでも、

「これこれ、蛇っこよ、外はまだ寒いから我慢しろ。」といって、山道を急いだ。そしてその男は、(蛇なんていうもの、人に嫌われ、見つかれば殺される。だから、蛇のほうでも、人さえみれば目玉を光らせて、飛びかかってきたり、噛みついては、毒で人を殺すようになった。でも、こうして助けてやれば、なんぼ毒を持った蛇でも、ありがたがって、きっとオラに、恩返しするに違いねえ。)と思って、

「蛇っこよ、もう少し我慢だから、オラの握り飯をあげるからな。」

と、話しかけておった。

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そのうち蛇は、すっかり元気になって、ふところから、ニョキニョキとかま首を出し、赤い舌をベロベロさせ出した。
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「蛇っこ、よかったな。元気なったようで出してやるからな。早く穴籠もりして、来年、暖かくなったら、出てこいよ。またでおうたら、握り飯を食わしてやるからな。」
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男は、ふところの蛇を出してやろうと、手に入れた。すると、蛇は、いきなり男の手に噛みついた。

「いててー!」

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男はあわてて、手をおさえ、蛇に怒鳴りつけた。

「この恩知らずめ!命を助けてもらった人に噛みつくなんて、どういうことだ!」

すると、蛇は、

「元気になれば、噛みつくのが、蛇の商売だから、仕方がないよ。」

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と言うて、蛇はニョロニョロと穴の中に入ってしもうた。

  (おしまい)

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この記事へのコメント

2020年09月24日 08:35
おはようございます♪
蛇の商売は、「噛みつくことなのか」
恩返ししてよ!
子供を連れて、お礼に来ても。。。
2020年09月24日 16:42
こんにちは。
いくら噛むのが蛇の商売とはいえ 命が助かったんですから
そりゃあないでしょ。
たとえ恩返ししないとしても噛むのは無しですね。
蛇・・・今に痛い目にあいますよ。
sisi
2020年10月06日 07:41
もうヘトヘトさん、にゃーちゃん、ありがとうございます。
そうですね、せっかく新設してくれたのに恩返しされないのが、ひどく感じますね。
無駄にされるのも誰だってイライラありますね。
このお話も恩返し効果なしが珍しいですね。