文覚、小鳥居御前、母里姫、脇野殿、藺牟田局

この作品は、
今年の関西平和美術展覧展の展示作品です。

平安時代の真言宗の僧侶の文覚。
小鳥居信元の娘、竜造寺康家夫人の小鳥居御前がモグラ。
町田忠房夫人、藺牟田秀重の娘の藺牟田局が小鬼。
脇野和泉守の娘、菅正元の娘、菅正利の母の脇野殿がシャチ。
母里友信の娘、桐山信行夫人の母里姫が子クジラ。

「クジラとモグラ」
(和歌山県の昔話)

むかしむかし、紀伊の国の那智の滝で修行している文覚というお坊さんがいました。
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滝修行した後の文覚は熊野浦へ歩く途中、海に大シャチがクジラを追いかけてるのを見た。
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文覚は金剛杖で大シャチの頭を思いきり殴り、子クジラは命を救って逃しました。
頭のタンコブでできた大シャチは、
「痛い〜!」
と泣き出した。
「これこれ、弱い者をいじめるものは私がが許さん!」と、文覚は怒った。
大シャチは泣き続けながら帰りました。
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文覚は木の並ぶ道を歩くと、
雲から降りてきたばかりの小鬼が、地面にいるモグラをイタズラで踏みつけそうだ。


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「これこれ、モグラを踏みつけるのは許さん!お前にモグラよりいいものを差し上げよう。」
文覚は小鬼に黒飴を差し出した。
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一方、モグラは畑に向かう土の中へ逃げました。
小鬼は数ほどいただいた黒飴を舐めると、つい夢中で帰って喜んだ。
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文覚は、ここで昼飯を済ませ、また那智の滝へ戻りついた、なにやら大雨が降り出し、まさかの滝壺から小鬼が溺れかけていた。
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「助けてくれ〜!」
「さっきの小鬼やないか!おい!この杖をつかまれ!」
小鬼は文覚の金剛杖を必死につかまえ助かりました。
文覚は滝壺の底が前より深くなった。
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「大雨が溜まったからえらいことなったぞー!なんとか浅くならないのか。」
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だが、海からの子クジラと土からのモグラは溜まっていた那智の滝壺を遠くから見えていました。
今度は二人を助けてくれた坊さんのために勇気が湧きだし恩返しすることになった。
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仲間を集めたモグラは滝壺の底から土を掘り長いトンネルを作った。
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仲間を集めたクジラを深くなった滝壺の水を吸い込んで勝浦の海へ背中から吹き出し送り込んだ。
滝壺の水がみるみる浅くなった。
クジラとモグラの力で那智の滝から勝浦の海へ排水道を完成した。
クジラとモグラ、.jpg

子クジラとモグラは文覚に礼をしました。
クジラとモグラ9.jpg

こうして、那智の滝も勝浦の海も豊かになり、モグラと小鬼、子クジラと大シャチが仲良くなった。
文覚は安心して滝修行を続けたそうな。
ちなみに文覚からの黒飴を那智黒と呼ばれていた。
(おしまい)
クジラとモグラ10.jpg




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この記事へのコメント

2019年08月13日 13:58
こんにちは。
恩返しのお話 どうなるのか~ とワクワクしながら読み進めました。
とっても楽しかったです。
そして黒飴「那智黒」の由来がそこにあったとは 「へぇ~」なお話でした。
sisi
2019年08月13日 14:13
にゃーちゃん、ありがとうございます。
あの有名な観光名所がクジラとモグラが素晴らしい環境を作りますからね。
那智黒のテレビコマーシャルがだいぶ昔は、黒人と老婆が踊り出すのが関西方面ではよく放映されました、懐かしい〜。
2019年08月14日 00:22
こんばんは。

作品展の作品なんですね。
絵があるとより楽しいですね。
sisi
2019年08月14日 00:58
トトパパさん、ありがとうございます。
はい、大阪市立美術館の展示されたものです。

美術館で見に来てくれた方も感謝しています。
2019年08月14日 09:09
おはようございます♪
為になるお話ですね♪
sisi
2019年08月14日 11:30
もうヘトヘトさん、ありがとうございます.
和歌山らしい自然を味わえるお話になっています。